(2)基調講演
続いて、弊社代表取締役社長であり、かつ九州大学副学長・理事の安浦寛人より、「大学と地域社会との多角的連携」と題した基調講演が行われました。基調講演では、九州大学の概要説明がなされたあと大学そのものが持つ大きな可能性が示されました。続けて、今後展望される連携のあり方として、社会を構成するさまざまな要素と大学の知や人材が多角的に連携していく「社会の5階層モデル」が示されました。5階層とは、「自然法則・自然現象層」、「製造技術・生産技術・設計技術・治療技術層」、「製品・作物・作品・コンテンツ層」、「サービス・システム運用層」、「制度・体制層」を指します。
「自然法則・自然現象層」では理学等が、「製造技術・生産技術・設計技術・治療技術層」では工学・農学・医学・歯学・薬学等が、「製品・作物・作品・コンテンツ層」では芸術工学、文学等が、「サービス・システム運用層」では経済学、教育学等が、「制度・体制層」では法学等がそれぞれ力を発揮し、総体的に社会連携を行っていくことの意義が、九州大学で既に始められている取り組みの紹介とともに示されました。
(3)パネル・ディスカッション
基調講演の後は、九州大学知的財産本部副本部長の古川勝彦氏、佐賀大学産学官連携推進機構副機構長の佐藤三郎氏、佐賀大学経済学部教授の長安六氏、早稲田大学社会連携推進室副室長の奥山龍一氏にパネリストとして登壇していただき、九州大学特任准教授の坂本剛氏のモデレートによるパネル・ディスカッション「先行事例から展望する唐津の未来」が開催されました。

パネル・ディスカッションではまず、パネリストの方々が取り組んでこられた大学連携の事例が紹介されました。その後、各パネリストの方々より、当センターが今後担うべき社会的役割が示されました。以下、各パネリストにより提示されたことを報告いたします。
・古川勝彦氏
1.現代社会においては、高度経済成長期とは異なる形で持続可能な地域
づくりが重要。
2.そのためには、(特に高齢の)住民参加を導きながら活性化を行って
いくべき。
3.その上で、物質面に限らない生活・心理面での住民満足度を高める取
り組みや、住民に対する学ぶ機会の提供等大学の教育的機能の活用も行
うべき。
・佐藤三郎氏
1.地域づくりにおいて学生を地域に呼び、学生とともに地域の活力を生
むことが重要。
2.それを通して、唐津に住みたくなるような人材育成の取り組みを行う
ことも重要。
・長安六氏
1.唐津出身学生とともに取り組みを行い、将来の唐津を担う学生を育成
することが重要。
2.加えて、若者のみならず、高齢者についても、高齢者から技能や知識
を学び継承しながらともにまちづくりを行っていくべき。
3.唐津市には、海・山・川といった地域内需給を達成していくための基
盤がそろっているので、それらの地域資源を活用しながら相互扶助的
関係を築いていくべき。
・奥山龍一氏
1.当センターの役割は、ローカルな場において地域密着型の中小企業と
連携することにある。
2.そのことから、地域貢献型企業やオンリーワン企業の支援を行うこと
が重要。
3.また、センターが企業・教育・地域・研究の4要素をつなぎながらそ
の成果を地域に還元していくことも重要。
4.活動によって、(1)社会の要望と大学の資源をつなぎ、(2)社会を大学
のフィールドとし、(3)新しい価値を創造していくこと、この3つがセ
ンターが担うべき役割。
最後に、4名のパネリストからセンターに対する期待が述べられ、パネル・ディスカッションは盛況のうちに終了いたしました。
※なお、シンポジウムではアンケートを配布いたしました。お声を寄せていただいた皆様誠にありがとうございます。
3.交流会
交流会には30名の方に参加していただき、センターの事業について、また、大学連携そのものや地域活性化そのものについての活発な意見交換がなされました。
スタッフ一同、ご来場いただいた皆様に、また、パネル・ディスカッションに登壇していただいた皆様に深く御礼申し上げるとともに、提示された意見を胸に刻みながら事業を展開してまいりたいと思います。